放生会とは？
放生会の起源
放生会（ほうじょうえ）は、捕獲された動物を自然に帰し、命の尊さを再確認する宗教儀式です。この儀式はインドで始まり、仏教の伝播とともに中国や日本にも伝わりました。仏教の六道輪廻説に基づき、動物を野に放つことで「殺生」を戒める意味を持っています。日本では、特に奈良時代や平安時代にこの行事が広まっていき、命や自然への感謝を示すために、各地で放生会が行われていました。
放生会の読み方
放生会の正式な読み方は「ほうじょうえ」です。ただし、福岡ではこの祭りは「ほうじょうや」とも親しまれており、地元の人々にはこの呼び方が広く浸透しています。伝統的な祭りとして、地元ならではの呼び方が文化に根ざしていることがわかります。
放生会の御神輿行列
筥崎宮の放生会では、2年に一度「御神輿行列（ごしんこうぎょうれつ）」が行われます。この行列は、筥崎宮の氏子たちが神輿を担いで、神聖な雰囲気の中で福岡市の街中を練り歩く伝統的なイベントです。御神輿行列は福岡市の無形民俗文化財に指定されており、福岡の人々にとっても重要な文化的イベントです。この荘厳な行列は、地域社会とのつながりを象徴し、地域の活気を感じさせるものです。
放生会の供養祈願祭
放生会の中心となる儀式は、供養祈願祭です。この祭りでは、捕らえた動物を自然に放して供養し、命の大切さに感謝を捧げます。この供養は、仏教における「殺生戒」に基づいており、生き物を慈しむ心を育むものです。奈良時代から行われてきたこの儀式は、毎年9月に行われ、特に筥崎宮の放生会はその象徴的な存在として知られています。
筥崎宮放生会2024開催概要
開催期間・時間・場所
- 開催期間: 2024年9月12日(木)～18日(水)
- 開催時間: 10:00～22:00
- 開催場所: 筥崎宮全域（福岡県福岡市東区箱崎1-22-1）
神事スケジュール（抜粋）
- 9月12日(木): 10:00 初日祭
- 9月13日(金): 11:00 供養祈願祭（久原本家）
- 9月15日(日): 10:00 放生会大祭（例祭）
- 9月17日(火): 11:00 供養祈願祭（ふくや）
- 9月18日(水): 14:00 稚児行列、童児育成祈願祭、放生神事
神賑わい・幕出しスケジュール（抜粋）
- 9月14日(土): 15:00 博多町人文化連盟幕出し、19:00 豊前神楽奉納
- 9月15日(日): 15:00 折尾神楽奉納、19:00 博多独楽奉納、20:00 博多金獅子太鼓奉納
交通アクセス
- 福岡市営地下鉄: 箱崎宮前駅から徒歩3分
- JR鹿児島本線: 箱崎駅から徒歩8分
- 西鉄バス: 箱崎バス停から徒歩3分
- JR九州バス: 箱崎1丁目バス停から徒歩2分
- 車利用の方: 周辺道路は駐車禁止ですので、近隣の駐車場をご利用ください。国道3号線からのアクセスが便利です。
放生会の屋台
参道に並ぶ500軒の屋台
放生会の最大の魅力の一つは、筥崎宮の参道に並ぶ約500軒の屋台です。筥崎宮の大鳥居から境内まで約1km続く参道の両側に屋台がぎっしりと並び、訪れる人々を楽しませます。焼き鳥、焼きそば、たこ焼きなどの定番グルメから、全国各地のB級グルメ、さらには海外の料理まで、バラエティに富んだ食べ物を堪能することができます。
放生会名物新生姜
放生会の名物として知られるのが「新生姜」です。戦前まで筥崎宮周辺には生姜畑が広がっており、その新鮮な生姜がこの祭りで販売されていました。緑の葉がまだついた新鮮な新生姜は健康に良いとされ、福岡市民に長年愛され続けています。この新生姜を食べることで夏の疲れを癒し、冬に向けた体調管理を行うという伝統的な習慣が今でも続いています。
人気のグルメとスイーツ
放生会では、定番グルメに加えて近年話題の新しいメニューも注目されています。じゃがバターやチーズハットグ、冷やしパイン、電球ソーダなどが特に若者の間で人気です。また、社日餅（やきもち）など、昔ながらの伝統的なお菓子も楽しむことができ、家族連れでも楽しめる多彩なメニューが揃っています。
放生会の見世物小屋
見世物小屋とエンターテイメント
放生会のもう一つの楽しみ方として「見世物小屋」があります。この伝統的なエンターテイメントは、江戸時代から続く日本の大衆文化で、マジック、曲芸、奇術、ダンスなどが披露されます。現在でもその文化が受け継がれており、訪れる人々を楽しませます。見世物小屋では、現代のエンターテイメントとは一味違う、どこか懐かしい雰囲気を楽しむことができます。
叫び声が響く放生会のお化け屋敷
放生会のお化け屋敷も人気のアトラクションの一つです。特にこのお化け屋敷は、昔ながらのレトロな雰囲気が漂い、自分の足で歩いて回る形式です。大きな叫び声が響き渡る様子は、恐怖感と同時に祭りの一体感を感じさせます。家族や友人と一緒に楽しむには最適なスリル満点の体験です。
放生会のおはじきと御朱印
開運の縁起物「筥崎宮おはじき」
筥崎宮のおはじきは、博多人形の職人によって作られる素焼きの粘土製おはじきです。毎年放生会の初日に、限定数で販売され、コレクターアイテムとして非常に人気があります。テーマが毎年変わり、特別なデザインが施されたおはじきは、開運の縁起物として多くの人が求めます。現在では通年購入が可能ですが、放生会の初日に手に入れることに特別な価値があるとされています。
2024年限定のクリア御朱印
2024年の放生会では、特別なクリア御朱印が登場します。この御朱印は透明な素材にデザインが施されており、毎年異なるデザインで多くの参拝者に人気です。2024年の限定版として、記念として持ち帰る人々にとって特別な意味を持つ御朱印です。
筥崎宮近くの駐車場情報
安い＆近い駐車場の選び方
筥崎宮周辺には便利な駐車場がいくつかあります。特におすすめなのは以下の2つです：
- 宮前駐車場: 二之鳥居のそばにあり、一之鳥居までは徒歩約2分と非常に近い立地です。
- 外苑駐車場: 国道3号線沿いにあり、一之鳥居までは徒歩約5分。駐車スペースが広く、利用しやすい駐車場です。
これらの駐車場は放生会期間中、早い時間に埋まることが多いため、早めの到着を心がけることがポイントです。
福岡の三大祭り
博多どんたく
「博多どんたく港祭り」は毎年5月3日と4日に行われ、200万人以上の観客を動員する福岡最大級の祭りです。市内各地でパレードや演舞が行われ、街全体が華やかな雰囲気に包まれます。この祭りの歴史は平安時代にまでさかのぼり、地元の人々にとっても重要なイベントです。
博多祇園山笠
「博多祇園山笠」は毎年7月1日から15日にかけて行われる伝統的な祭りで、山笠が街中を疾走するクライマックスの「追い山笠」は特に迫力があります。1241年に始まったとされるこの祭りは、現在はユネスコ無形文化遺産にも登録されており、福岡の伝統を象徴する一大イベントです。
筥崎宮放生会
そして、9月に開催される「筥崎宮放生会」は福岡の三大祭りの一つとして、毎年多くの人々に愛されています。歴史は1000年以上にわたり、毎年9月12日から18日の期間中、参道には500を超える屋台が並び、多くの参拝者と観光客で賑わいます。
開催している神社について
筥崎宮の歴史と由来
筥崎宮は、921年に創建され、日本三大八幡宮の一つとして知られています。元寇の際に掲げられた「敵国降伏」の扁額で有名で、海上交通や海外からの防護の神として信仰されてきました。また、戦いにおける勝運や、開運祈願の神社としても多くの参拝者が訪れます。
筥崎宮の神事と信仰
筥崎宮では、1月の「玉取祭（玉せせり）」や9月の「放生会」など、年間を通じて多くの神事が行われます。特に玉取祭は、幸運を授けるとされる木製の宝珠を奪い合う姿が印象的で、参加者たちの熱気に包まれます。筥崎宮は勝負運や厄除けにご利益があるとされ、参拝者にとって特別な場所です。
アクセス方法・口コミ
アクセス方法（電車・車）
- 電車: 福岡市営地下鉄「箱崎宮前駅」から徒歩約3分、JR鹿児島本線「箱崎駅」から徒歩約8分。
- バス: 西鉄バス「箱崎」バス停から徒歩約3分、JR九州バス「箱崎一丁目」バス停から徒歩約2分。
- 車: 博多駅から筥崎宮までは約4kmの距離があり、タクシーで約20分、料金は1,300円前後です。
参拝者からの口コミと評判
放生会は毎年多くの人々から高い評価を得ています。「福岡の秋の風物詩」「家族全員で楽しめる屋台や見世物小屋が素晴らしい」といった口コミが多く、特に子ども連れの家族や観光客にとって魅力的なイベントです。また、筥崎宮そのものも、歴史ある神社として「勝運祈願」や「必勝祈願」で有名であり、福岡を訪れる際にはぜひ参拝したいスポットの一つです。⛩️🌃🙏
コメント